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住宅ローン金利を徹底解説「基準金利」「適用金利」「審査金利」
2026年06月10日
住宅ローン金利を徹底解説「基準金利」「適用金利」「審査金利」
住宅ローンの検討を始めると、「審査金利」「基準金利」「適用金利」という3つの異なる金利用語を目にします。これらはすべて役割や金額が異なり、正しく理解していないと資金計画が大きく狂う原因になります。
本記事では、これら3つの金利の違い、それぞれの計算方法、そしてマイホーム購入時に注意すべきポイントを徹底的に解説します。
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住宅ローンの3つの金利:一目でわかる比較表
まずは、3つの金利の基本概要を一覧表で確認しましょう。
|
金利の種類 |
概要 |
決まるタイミング |
影響する項目 |
|
① 基準金利 |
銀行が設定する「定価」の金利 |
毎月、市場連動で決定 |
すべての計算の土台 |
|
② 適用金利 |
実際に毎月支払う「割引後」の金利 |
融資実行時(引き渡し時) |
毎月の返済額、総返済額 |
|
③ 審査金利 |
銀行が「返済能力」を測る裏方の金利 |
住宅ローンの審査時 |
借入可能額(いくら借りられるか) |
このように、それぞれ「定価」「実売価格」「審査用」という全く異なる役割を持っています。以下で各金利の詳細を深掘りしていきましょう。
1. 基準金利(店頭表示金利)とは?:
すべての土台となる「定価」
基準金利の定義
基準金利(店頭表示金利)とは、銀行が独自に設定している住宅ローンの「定価(基本料金)」です。家電量販店でいう「メーカー希望小売価格」のようなものだとイメージしてください。
どうやって決まる?
基準金利は、世の中の景気や市場金利の動きに合わせて、各銀行が毎月見直しを行います。
● 変動金利の基準金利:
短期プライムレート(銀行が最優良企業に貸し出す際の短期金利)に連動して決まります。多くの銀行では年2.475%前後で長年高止まりしています。
● 固定金利の基準金利:
新発10年物国債の利回り(長期金利)に連動して決まります。
注意点
基準金利そのままで住宅ローンを借りる人は、現代の日本ではほとんどいません。後述する「優遇幅(割引)」が適用されるためです。ただし、変動金利を選んだ場合、将来の金利上昇リスクはこの「基準金利がどこまで上がるか」をベースに計算されるため、常にチェックしておくべき指標です。
2. 適用金利(実効金利)とは?:
あなたが実際に支払う「割引後の価格」
適用金利の定義
適用金利(実効金利)とは、基準金利から銀行の割引(優遇)を差し引いた、あなたが「実際に毎月支払う金利」のことです。家電量販店でいう「値引き後の実売価格」です。
計算式
適用金利は以下の数式で決まります。
適用金利=基準金利-優遇幅引き下げ幅
たとえば、ある銀行の変動金利の基準金利が「年2.475%」で、あなたの年収や勤務先、自己資金の割合に応じて「年2.0%」の優遇幅が適用された場合、実際の適用金利は「年0.475%」になります。
優遇幅の種類
銀行の優遇(割引)制度には、主に2つのパターンがあります。
1. 全期間引き下げ型:
完済まで一律で同じ割引幅(例:全期間マイナス2.0%)が続くタイプ。
2. 当初期間重視型:
最初の5年や10年だけ大きな割引(例:当初10年はマイナス2.2%、11年目以降はマイナス1.5%)が受けられるタイプ。
注意点:
金利が決まるのは「申込時」ではなく「実行時」
多くの銀行では、住宅ローンの申し込みをした時点ではなく、実際に融資が実行される(お金が振り込まれて物件が引き渡される)時点の適用金利が採用されます。
注文住宅などで、着工から引き渡しまで半年以上の期間が空く場合、申し込んだ時よりも金利が上がっているリスクがあるため注意が必要です。
豆知識:
●「実行金利」とは、実際に融資が実行される際に適用される金利そのものを指します。
●「実効金利」とは、手数料や保証料、口座の拘束預金などを含めて計算した、借手が最終的に負担する実質的な金利(実質金利)を指します。
3. 審査金利とは?:
借入可能額を決める「銀行の裏方の基準」
審査金利の定義
審査金利とは、銀行が「この人は将来金利が上がっても破産せずに返済を続けられるか」をチェックするために、審査時のみに使用する「ダミーの金利」です。
なぜ実際の金利で審査しないのか?
例えば、現在の変動金利の適用金利が「年0.5%」だとします。銀行が年0.5%を基準に「いくらまで貸せるか」を計算してしまうと、将来もし金利が年2%や3%に上昇した際、借主の返済が滞ってしまいます。
そのため、銀行は将来の金利上昇リスクをあらかじめ織り込み、わざと年3.0%〜4.0%程度の高い金利(審査金利)を設定して、厳しめに返済能力を計算するのです。
※この銀行ごとの審査金利は、公表されません。
※ネット銀行などの一部では、適用金利そのもので審査を行う(実効金利審査)ところもあるようです。
※住宅ローンの審査金利と職業は直接的な連動はしませが、職業の属性により返済負担率が変わってきます。
審査金利が与える影響:返済負担率
審査金利は、あなたの「借入可能額(いくらまで借りられるか)」に直結します。
銀行は年収に対する年間返済額の割合(返済負担率:一般的に30%〜35%以内)を計算しますが、この計算に審査金利が使われます。
【シミュレーション】
年収600万円の人の借入可能額の違い
(返済負担率35%、35年返済、元利均等返済)
● 実際の適用金利(年0.5%)の計算例
(理論上):
年間の返済上限:210万円(月17.5万円)
借入可能額:約6,700万円
● 審査金利(年3.5%)の計算例
(実際の銀行審査):
年間の返済上限:210万円(月17.5万円)
借入可能額:約4,200万円
このように、実際の適用金利では6,700万円まで返済できそうに見えても、銀行の審査金利(3.5%)を通すと4,200万円までしか借りられない、という「ギャップ」が生まれます。これが「ネットのシミュレーション通りに借りられない」と言われる最大の理由です。
※ゼロ金利政策が解除され、銀行の審査金利が上昇傾向です。つまり、借入可能額が少なくなる・・・ということですね。
資金計画で失敗しないための実践アドバイス
3つの金利の違いを理解した上で、マイホーム購入を成功させるための具体的なポイントを3つ紹介します。
① 「借りられる額」と「返せる額」を混同しない
審査金利によって、銀行はあなたに「安全に貸せる上限額」を提示してきます。しかし、それは銀行にとっての安全基準であり、あなたの生活(教育費、老後資金、旅行などの趣味)を考慮したものではありません。
予算を組むときは、審査金利で決まる「借入可能額」の上限いっぱいで購入するのではなく、現在の「適用金利」から算出される毎月の実返済額が、家計を圧迫しないかベースで考えましょう。
② 変動金利を選ぶなら「基準金利」の動きを追う
変動金利の適用金利が低いのは、銀行間で激しい割引(優遇幅)競争が行われているからです。
今後、日本の金利が上昇局面に入った場合、変動するのは「適用金利」ではなく、大元である「基準金利」です。ニュースなどで「短期プライムレート」や「基準金利」の利上げが報じられたら、自分の住宅ローンの支払いが増えるサインとなります。
③ 複数の銀行で事前審査を通しておく
銀行によって「優遇幅」の基準や「審査金利」の高さはバラバラです。
A銀行では審査金利が高くて希望額を借りられなかったとしても、B銀行では適用金利そのままで審査してくれるため希望額を満額借りられた、というケースは多々あります。選択肢を広げるために、毛色の違う複数の金融機関(メガバンク、ネット銀行、地銀など)に事前審査を出しておくのが鉄則です。
まとめ
住宅ローンの3つの金利は、家づくりのフェーズごとに注目すべき相手が変わります。
● 家探しの初期(予算決め):
「審査金利」を意識して、非現実的な借入計画になっていないかチェック。
● 銀行選び・契約時:
各行の「基準金利」と「優遇幅」を比較し、最も低い「適用金利」を勝ち取る。
● 返済中:
景気の動向と「基準金利」の変動をウォッチする。
この3つの金利をマスターすることが、賢いマイホーム購入への第一歩です。複雑に思える住宅ローンですが、構造をシンプルに捉えて、後悔のない資金計画を立ててくださいね。
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